2021.02.27

揖斐(いび)森のようちえんこだぬきに通って

森のようちえんについてつらつら書こうと思います。娘は今小学1年生(4月から2年生)ですが、年中さんの頃から2年近く、森のようちえんに通っていました。揖斐川町にある「こだぬき」というところです。

googleで「いび 森のようちえん」と検索すると、こだぬきのブログのすぐ下にうちのブログが出てくるようで、知り合いのお母さんからうちのブログ見つけたよ、と言われることがときどきあります。森のようちえんってどうなのかな?と気になっている方の参考になればと思い、今回記事にまとめてみようと思いました。


わたし自身何度か保育当番に入って、森のようちえんで過ごすメリットは確かにあると感じました。けれど「とにかく自然いっぱいの森のようちえんに入れていれば、誰でも何かを得て帰ってくる」というわけではなくて、入園前に子どもの心のベースがどこまで出来上がっているかによって、森のようちえんで得てくるものが大きく違ってくるなと思いました。例えば、小さなことにも感動できる心とか、物がなくても自分で工夫して遊びを考えられるとか、人を思いやれる心、そういうものがベースにできていないと、何もない森では、毎日つまらないと思います。入園してから身についていく部分もあるでしょうけど、まずは親の私たちがいっしょにそのベースを作っていてあげないと、せっかくの自然体験も活かされず、大事なものを持ち帰ることができないように思います。どこのようちえんにいれるかの前に、親が家でどんな言葉を子どもにかけているか、どんなふうに接しているかというのがいかに大切かを痛感しました。


森のようちえんに入れてよかったと思うことがありました。
年長さんのとき、森林インストラクター&和ハーブインストラクターの半谷美野子さんという方が一日だけこだぬきに来られる日がありました。半谷さんはその界隈では名の知れた方だそうで、その方が来ると聞いて当番に入られたお母さんもいました。その日子どもたちはいつも歩く森の中で、半谷さんに木や植物のガイドをしてもらいました。わたしがいつものように娘のお迎えにいくと、半谷さんがわたしのところに来て「この子は植物博士。教えた植物、一回で覚えちゃう」と言ってくださいました。植物博士のような方に植物博士と言ってもらえてとてもうれしかったです。そのとき覚えた植物は今でも覚えています。娘はどちらかといえば植物に興味があるほうだったので、その部分と半谷さんのガイドがフィットしたんだと思います。


森の中でも当然、みんな得手不得手があります。山登りが得意な子、おままごとが好きな子、とにかくきのこが好きな子…。もし、それぞれの「得意」や「好き」が、この「森」というのびのびとしたフィールドで、すてきなお友達やスタッフさん、スペシャリストとの出会いによって開花し、その子の中でどんどんパワーアップしていったとしたら…
それは一般的な保育園では得難い、特別なものになるかもしれません。「組織」より「個」の力が重要になっていくと言われている時代に、ひとりひとりの「個性」を尊重してくれる“森のようちえん”は、これからの時代に沿っていて、大きな可能性を秘めていると思います。そこには、強い信念を持った園長先生や、やさしく楽しく子どもたちを見守るスタッフさんがいることは大前提で、半谷さんのような何かを追求されたスペシャリストの存在も重要になってくると思います。


入園を考えるとき、気になるのは「安全面」。過去にどんなケガや事故があったかなど、聞きにくいことかもしれないですが、はじめにしっかり確認されるのがいいと思います。おさんぽ会などでもスタッフさんが教えてくれます。



わたしが当番で入ったときに撮った写真。
娘が保育中に「おかーさーん、近道するわー!」と言って、山道をそれて、親でもびっくりするような急斜面を登っていくところ。
入園当初、道を横切るアリ(ちょっと大きめ)も怖くてまたげなかった娘がたくましくなったな〜と思った瞬間でした。虫も平気になりました。2年間一度も「行きたくない」とぐずったりしたこともなく毎日元気に通ってくれたので、娘は森で過ごす時間をちゃんと自分のものにしていたのだと思います。
崖の写真は大きく引き延ばして額に入れて、娘の部屋に掛けてあります。
女の子に崖を登れるほどのたくましさまは必要ないかもしれませんが、つらいことがあったとき、わたしこんなとこ登ってたんだ〜と、少しでも励みになればいいなと思って飾ってあります。